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離婚後の備え~遺言書

もしもの時のために

あなたが親権を取得、養育費も確保して離婚が無事に成立したとしましょう。

しかし、『私に万一のことがあったら?』と心配される方も多いのではないでしょうか。

考えたくはありませんが、絶対にないとは言い切れません。

あなたが生存中は、余程のことが無い限り、途中で元夫に親権が移ることはありません。
ただ、不慮の事故などにより万一のことが起こった場合は別です。

亡き後は、自身のご両親(祖父母)に養育を頼みたい方もいらっしゃるでしょう。

離婚後もお子さんと元夫が円満な親子関係を続けているなら別ですが、そうではない場合や、元夫がすでに再婚している場合、離婚原因が元夫の暴力などの場合、お子さんの生活は心配になります。

親権は、お子さんの財産管理権も含まれますので、相続により、お子さんがあなたの財産を取得した場合、元夫はその財産を管理することになります。
元夫に借金がある場合などは不安になるところです。

親権者が亡くなった場合の考え方について

まず、あなたが亡くなった場合、自動的に元夫に親権が移動するわけではありません。

親権者が亡くなった場合の養育監護の考え方は幾つかに分かれているようです。

親権者が亡くなった場合の養育監護の考え方

  1. 親権者死亡により『後見』が開始されるから、家庭裁判所で後見人に選ばれた者が監護権者となり養育を行う。
  2. 家庭裁判所で親権者が変更された場合は、他方の親が親権者となり養育を行う。
  3. 残った親に、当然に親権が復活し、親権者となり養育を行う。

家庭裁判所の実務では、上記 1. と上記 2. が認められているようです。

法的手続きの流れ

後見人選任の場合

『後見』とは、親権者ではない方が未成年者の養育及び財産管理をすることです。
簡単に言えば、

  • 養育監護権を持つ方が親の場合『親権者』、
  • 親以外の方の場合『後見人』と考えればよいでしょう。

そこで、あなたの母(または父)が後見人選任の申し立てを行い、家庭裁判所があなたの母(または父)を後見人として選任すると、後見人が今後お子さんの養育と財産管理をすることになります。

親権者変更の場合

あなたの死亡後、元夫はお子さんの唯一の親ですので、親権者変更の審判を申し立てることができます。

家庭裁判所が、元夫からの親権者変更を認めると、お子さんの親権者は元夫に移動し、元夫がお子さんを引き取り養育することになります。

申し立てが同時に行われた場合

しかし、あなたの母(または父)からの後見人選任の申し立てと、元夫からの親権者変更の審判の申し立てが同時に行われた場合はどうなるでしょう。

その場合は、お子さんにとって誰を監護権者にするのがよいかを、
家庭裁判所が判断することになります。

お子さんの監護権者があなたの母(または父)になるのか、元夫になるのかは、家庭裁判所の調停、審判次第になってきます。

新たな親権者争いが勃発する可能性も無いとは言えないのです。

そんな心配をできる限り減らしたい場合どうしたらよいの?

元夫に親権を移動させたくない場合の解決方法としましては、『遺言書』が有効になります。

最後に親権を行う者は、遺言で後見人を指定することができます。(民法839条)
これを指定後見人と言います。

指定後見人は、遺言の効力発生時(あなたの死亡時)に就職したものとみなされますので、この場合、家庭裁判所の審判は必要なくなります。(指定後見人は、効力発生時から10日以内に、市区町村役場で後見開始の届け出をする必要があります。)

ただし!100%これで大丈夫というわけではありません。

後見開始後であっても、他方の親(元夫)からの親権者変更の申し立てが出来ないわけではありません。

元夫から親権者変更の審判が申し立てられると、やはり家庭裁判所が判断することになってきます。

家庭裁判所は、お子さんの安定した生活の維持を第一に考えますので、現に祖父母と一緒に暮らしている場合は有利ですし、祖父母が近所で援助をしてくれている場合などは、遺言書でその旨も記載しておくとよいでしょう。

また、遺言書を作成される際には、元夫に遺言書自体の有効性を指摘される心配がないよう、公正証書遺言を作成されることをお勧めします。

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