DV 防止法・保護命令
DV防止法とは
正式名称は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」で配偶者から暴力を受けている被害者が、最寄りの地方裁判所に保護命令の申し立てを行い、裁判所が相手方(配偶者)に保護命令を発して被害者を守るための法律です。
保護命令とは
保護命令には3種類あります。
- 接近禁止命令
6か月間、相手方が申立人の身辺につきまとったり、申立人の住居や勤務先などその通常所在する場所の付近をはいかいすることを禁止する命令です。 - 子への接近禁止命令
申立人への接近禁止命令の期間中、相手方が申立人と同居する子の身辺につきまとったり、住居や学校等その子が通常所在する場所の付近をはいかいすることを禁止する命令です。
この命令は、単独で求めることはできず、申立人への接近禁止命令が同時に出る場合か、,既に出ている場合のみに発令されます。 - 退去命令
相手方に対して、2か月間、申立人と共に生活の本拠としている住居から出ていくことを命じ、かつ、その住居の付近をはいかいすることを禁止する命令です。(二人が同居している場合に限る)
上記の保護命令に違反した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
なお、保護命令が発せられた場合は、直ちに裁判所から警察署へ通知されます。
保護命令の申し立て
保護命令の申し立ては、夫婦関係(事実上の夫婦である場合を含みます。)の継続中に身体に対する暴力を受けた妻又は夫が、今後も更に夫又は妻から身体に対する暴力を受け生命や身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときに申し立てができます。
身体に対する暴力を受けた後に離婚した場合(事実上の夫婦関係を解消した場合を含みます。)は、離婚後も引き続き元夫又は元妻から身体に対する暴力を受け生命や身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときに申し立てができます。
しかし、夫婦関係継続中には身体に対する暴力を受けていなかったが、離婚後に身体に対する暴力を受けるようになった場合は申し立てることはできません。(警察所への告訴・告発ができます)
申し立てができるのは、配偶者又は元配偶者から身体に対する暴力を受けた被害者本人に限られます。本人に代わって親族等が申し立てることはできません。
申し立てる前にしておくこと
申立書には、事前に警察署または配偶者暴力相談支援センターや女性相談センターなどの「DV相談センター」に相談した事実を記載しなければいけません。
事前に相談に行っていない場合は、公証役場で「宣誓供述書」を作成し、これを申立書に添付します。
宣誓供述書とは、公証人の前で書面に記載してあることが真実であると宣誓したうえで、署名、押印した証書のことです。(作成費用は11,000円程度)
保護命令の申し立て、必要書類
一般的には次のような書類が必要ですが、管轄の地方裁判所で確認してください。
- 申立書
地方裁判所に備え付けてあります。 - 法律上の夫婦であることの証明書(戸籍謄本、住民票の写し等)
事実上の夫婦であることを証明する資料(証拠) - 暴力を受けたことを証明する証拠書類(例、診断書、受傷部位の写真など)
- 夫(妻)から更に暴力を振るわれて生命、身体に重大な危害を受けるおそれが大きいことを証明する証拠書類(例、本人や、第三者の陳述書)
- 警察やDV相談センターに事前に相談していない場合、公証役場で作成した宣誓供述書
- 子への接近禁止命令を申し立てる場合で、子が15歳以上の場合は、その子の同意書及び同意書の署名が子本人のものであることが確認できるもの(例、学校のテスト、作文等)
- 申し立て手数料 (収入印紙1,000円程度)
- 連絡用郵便切手代(1,600円程度)
保護命令の申し立て、手続き
必要書類が揃いましたら、次の所在地を管轄する地方裁判所に提出します。
- 相手方の住所(日本に住所がないとき又は住所が不明のときは居所)
- 申立人の住所又は居所
- 当該申立ての原因となった暴力が行われた地
申立書が受理されてから、審理の期間は約10日程です。他の審判に比べ早く審理されます。
また、裁判所では、受付相談時に、申立人から相手方の暴力の状況等について聞いた上で、裁判所の中で相手方から暴力を受けることがないように、必要な警備体制を整えてくれます。

配偶者から暴力を受けて悩んでいる方は、
早めに警察署または各相談センター、専門家などに相談しましょう。
DV防止法改正について
DV防止法が改正され、平成20年1月11日より施行されました。
保護命令に関し、新しくなった内容は次のとおりです。
生命及び身体に対する脅迫を受けた場合の申立てが可能になりました。
以前は、身体に対し継続的な暴力を受け、今後も受ける恐れがある場合に、保護命令の申し立てができましたが、これに追加して、身体的な暴力を受けていなくとも、脅迫により危害を受ける恐れが大きい場合も申し立てができるようになりました。
被害者に対する電話・電子メール等の禁止が可能となりました。
被害者への接近禁止命令の実効性を確保するため、被害者の申し立てにより、接近禁止命令と併せて、以下のいずれの行為も禁止する保護命令が発せられるようになりました。
- 面会の要求
- 行動の監視に関する事項を告げる事等
- 著しく粗野・乱暴な言動
- 無言電話・連続しての電話、FAX、電子メール(緊急時やむを得ない場合を除く)
- 夜間(午後10時から午前6時)の電話、FAX,電子メール(緊急時やむを得ない場合は除く)
- 汚物、動物の死体等の著しく不快又は嫌悪の情を催させる物の送付等
- 名誉を害する事項を告げる事等
- 性的羞恥心を害する事項を告げる事等又は性的羞恥心を害する文書・図画の送付等
被害者の親族等も接近禁止命令の対象となりました。
相手方が、被害者の実家などに押しかけて来る場合など、相手方と被害者が面会せざるを得なくなることを防止するため、被害者の申し立てにより、被害者と併せて被害者の親族等への接近禁止命令を発せられるようになりました。









