モラルハラスメント
モラルハラスメントとは
家庭内等の限られた空間の中で、日常的に、且つ、少しずつ精神を犯していく暴力のことです。家庭内いじめのようなものです。このモラルハラスメント(略してモラハラ)を行っている夫が、モラハラ夫と呼ばれています。
モラハラ夫の特徴
多く見られる特徴として、モラハラ夫は外面を大変気にします。
周囲には、仕事もでき、知識もあり、優しく家庭思いのいい夫を演じます。しかし、本心は、決して周囲に敬意を表しているわけではありません。自分が正しく、自分が優れていると思っていますから、周囲の意見に耳を傾けることはしません。
また、自分が優れていることを周囲に見せることを好みますので、お葬式やお通夜などに参加することが好きなようです。外では常識人であり、優しく、しっかりとした仕事についている人が多いようです。
モラルハラスメントのはじまり
モラルハラスメントは「結婚」や「出産」を期にはじまります。大抵身体的な暴力は伴いません。
多くは、言動です。
「おまえが悪い」
「何故できないんだ」
あざ笑う、無視をする、ため息をつく。などなど
一つ一つはそんなに大きな暴力ではありませんので、妻(被害者)は、モラルハラスメントがはじまったということに気付きません。しかし、この些細な言動から、長期に渡り終わることの無い苦しみがはじまっていくのです。
人を恐怖に陥れる暴力
多くのモラハラ夫は、話をすり替える達人です。
例えば、モラハラ夫は自分が浮気をした場合でも、妻のせいにします。
「おまえがこうだから、仕方なく浮気をした」
「俺に浮気をさせたのは、おまえが原因だ、おまえが悪い」
という具合です。
何に対しても自分が正しい、悪いのは妻だと思っていますから、一事が万事話はすりかえられます。
話し合いにはならないのです。
また、モラハラ夫にとって、定期的に『怒る』ことも必須です。
「お茶を飲む?」と聞けば無視し、出さなければ「気が利かない!」と怒ります。
エアコンをつけたら「まだつけるな!」と怒り、つけなければ「なんでつけないんだ!」と怒ります。
怒ることに理由は必要ないのです。上下関係を植えつけるための手段なのです。
夫の巧みな話術により、妻は「私が悪かった」「私が我慢すれば」「私が頑張ろう」と思い込んでいきます。
また、無視なども特徴です。
妻が話しかけても答えない、深いため息をつかれる、など。妻の中には、私が変われば素敵だった頃の夫に戻るだろうという思いがあるため、更に努力をします。夫の機嫌を伺い、夫が喜んでくれるように気を配る毎日になります。
その頃には、完全に上下関係が出来上がっています。
モラハラ夫は、家族のルールになり、家族はそれに従うということになります。
言い訳や文句などは許されなくなっていきます。
妻は、日常的に少しずつ、そのルールという檻の中に閉じ込められていくのです。
そして、夫は妻側の周囲を嫌いますので、接触も制限されていきます。
それゆえ、檻は段々狭くなっていき、檻の外には、モラハラ夫というライオンのような存在を示すことで、恐怖で逃げられないような心理状態に持っていくのです。
最悪のパターンでは、自殺にまで追い込まれる心理状態になっていきます。
モラルハラスメントの実態
現在、このモラルハラスメントの被害にあっていらっしゃる方は数多く存在します。
マインドコントロールに似た性質を持っているため、自分が被害にあっているということに気付いていない方も多いでしょう。
モラルハラスメントは密室で行われているため、周囲には気付かれにくく、モラハラ夫は、周囲から見れば『いい人』ですので、周りに相談しても中々信じてはもらえません。
それどころか、相談したことがばれたら、モラハラ夫は猛烈に怒りますので、相談することは困難になります。
周囲に『いい夫』と思われたいモラハラ夫は、妻にもいい妻を演じさせます。
周囲から見たら、理想の夫婦に見えるでしょう。
中身は3歳児!?
モラハラ夫は、よく、一部の精神状態が3歳児並と言われています。ですから、加害者意識は全くありません。
自分が食べたい時に食べ、自分がしたいことをしたい、それが出来なければ機嫌が悪くなり怒ります。
大抵、妻を嫌いだからだとか、子供が可愛くないからという理由でモラルハラスメントを行っているわけではありません。それゆえ、離婚の話がでると、驚き、「別れない」と泣いたり怒ったりするようです。
モラハラ夫は、外では違う自分を演じていますので、ストレスを抱えています。
そのストレスを発散できる場である、妻という存在がいなくなることは、大変なことなのです。
また、モラハラ夫は勝敗にこだわる方が多いですので、妻から離婚を切り出され、それに応じることは負けに近く、許しがたいことなのかもしれません。
モラハラ夫との離婚
モラハラ夫と離婚するには、相当のエネルギーと時間が必要になります。
まず、被害者が、自分は被害者だということに気付くことが大事です。
「私が間違っている」
「私が悪い」
という状態から抜け出さなければいけません。そのためには、加害者と関係のない第三者に相談してみるのがよいでしょう。そして、家から離れるのです。「逃げる」と言った方がよいかもしれません。その後多くは、調停になります。
モラハラ夫は、周囲に自分の良さをアピールすることに優れていますから、調停委員に好印象を与える場合も多くなります。やり直したいと言ってくる場合が大半のようです。
反面、調停委員に被害者のこれまでの被害状況を伝えることは困難になるでしょう。
一つ一つが小さなことの積み重ねですので、全てを伝えきれるわけではありませんし、それをどのように受け止めるかは調停委員にもよります。夫婦喧嘩の域でとらえる方もいらっしゃるかもしれません。
周囲からも、理解してもらうことが難しい場合も考えられます。そういった状況の中、離婚の意志を貫くことは、大変な精神的ダメージを伴うでしょう。
しかし、そこで元に戻ってしまったら、また同じことが繰り返されるのです。
粘り強く協議していくしかありません。
モラハラ夫の多くは、復縁が無理になった場合に、離婚に条件をつけてきます。
「離婚してやるかわりに、親権はやらない」
「離婚するなら、慰謝料を支払え」
「離婚したいなら、○○を返せ」など。
自分が被害者だと思っていますから、無理難題を言ってくる可能性もあります。
ここは、冷静に、請求できる権利は主張しましょう。
特に、未成年のお子さんがいらっしゃる場合は、調停で養育費を定めるか、協議の場合は、公正証書を作成しておきましょう。金銭の支払いを渋ることは大いに考えられます。
これから、安心した生活を送るために、辛い時期を乗り越えるしかないのです。また、離婚後すぐに、精神状態が安定できるかというと、そうではない方も多いようです。そういった場合は、離婚後も専門家によるカウンセリングを受けることをお薦めします。
モラルハラスメントの見極め方
モラルハラスメントと一言で言っても、医学的に証明されているわけではありません。
ドメスティックバイオレンス(DV)との境界線も曖昧ですし、本人がモラハラだと思っていても、それは夫婦喧嘩に過ぎない場合もあるでしょう。
どこからがモラハラでどこからがDV、どこまでが夫婦喧嘩かということはとても分かりづらく、被害者意識が大きいと、逆に夫が被害者になってしまいます。夫婦関係がおかしくなることも考えられますので、この点には、気をつけるようにしましょう。
そのためには、自分ひとりで考え答えを出すのではなく、ご主人の影響を受けない第三者に相談してみるとよいでしょう。









